2013年7月8日月曜日

PAなしのアランフェスが聴きたい

昨日、本当に久しぶりにオケ伴のアランフェス協奏曲を聴いた。
これまでにイエペスが来日して何度かと、芳志戸師の日芸でのものと、イエペスが病に冒されたときのイスマイル、そしてビルバオ響&荘村さんという組み合わせで聴いてきました。どれも実音(PAなし)の演奏で、もちろん普段の演奏会よりギターを聴こうと耳をそばだてて聞きました。ちゃんと聞こえました。

聞こえました、というのを通り越して一番主張していたのはやはりイエペスの演奏です。トッティではオケに埋もれることももちろんあるけど、肝心のところや2楽章ではオケを圧倒し凌駕することも。それでいてバランスを崩すこともなく、真にオーケストラと渡り合って美しい音楽を奏でていた。

今でも忘れないのは、1987年のスペイン国立管弦楽団との来日公演中にセゴビアの訃報が新聞発表された日が調布グリーンホールでの公演の日で、本プロにアランフェス協奏曲、追悼曲にある貴紳が演奏された時のアランフェスは生涯忘れない。

イエペスや芳志戸師は、PAを通すことなくちゃんと音を伝えていた!!!

昨日はオーチャードホールでN響の公演(指揮:井上道義)でギターはミロシュ。残念ながらPAの音で。なのにあまり通(伝)ってこないし、全楽章通じて早めのテンポ設定で情緒とはかなりかけ離れた演奏で????????
オケのみのファリャの三角帽子組曲と、ビゼーのカルメン組曲はさすがN響を思わせる名演。

大ホールやオケとの共演でも伝えられる音のタッチを、イエペスや芳志戸師は探求し見出していたと思う。安易にPAに頼る最近の風潮は、いかがなものかと思う次第です。

0 件のコメント:

コメントを投稿